新温泉町の昔の習慣&行事
新温泉町の昔の習慣&行事
今はほとんど見ることの出来なくなった昔からの慣わしや習慣をご紹介します。 新温泉町の人々の信仰心を表す物や、この土地ならではの行事等の数々 町のお年寄りや、神社仏閣などに伝わる風習など随時追加していく予定です。 きっと、あなたの町でも時代に埋もれてしまった風習が どこかで息づいているはず・・・
昔の人々が信じた神様や、おまじないの数々を見直してみませんか? 忘れかけている温かい心がきっとどこかでよみがえってくるはず。 時代を超えて語り継ぎ、残したい風習と暖かい心のゆとり・・・
時代が過ぎ、人々の生活が変わった今でも、生きている風習が少しだけ残っています。 お正月の初詣、節分の豆まき、雛祭り、端午の節句、お祭り、お盆、お月見、除夜の鐘。 これらの風習は、決して決められて出来た物ではないのです。 遠い昔から私たちの心に息づいている”なにか”が、つながりを求めて生きているのです。
ここに新温泉町の昔からの慣わしや習慣を残します。 年中行事を通じて町の人々の絆を深めていったことを忘れないように、 その昔、人々の心にはたくさんの神様がいたことをわすれないように、 そして豊かな日本の心を忘れずに語り継ぐために。
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若水汲み (わかみずくみ) 元旦の朝、まだ夜があけないうちに、井戸や川に行って桶で水を汲んでくる。 その水で雑煮や餅をたき神様や仏様にお供えする。
年極 (ねんぎょく) 1月1日、お宮さんにお参りした後、お寺にみんなが米一升をもって行き年の初めの挨拶をする。 そして、お茶やお菓子を戴きながら新しい年をお祝いする。
七草の鳥追い (ななくさのとりおい) 1月7日の朝、女の人が「唐々の鳥が日本の国にわたらぬ先に七草そろえてほーほ」と言いながら、 まな板の上で七草をきざむ。そして、七草粥をたいて家族みんなで食べる。
とんど 1月14日朝、正月の飾りを持ってお宮さんに行き、とんど焼きをする。 その時、お餅をあぶって持って帰ったり、煙に手をかざしたり、書き初めをあげて1年のご無事をお祈りする。
念仏の口あけ (ねんぶつのくちあけ) 1月16日、いとこ煮(大根、あずき、芋を炊いた物)を炊いて神様や仏様にお供えする。 11時までにお供えしないと餓鬼道(地獄)に落ちて浮かばれないと言われている。
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数珠くり (じゅずくり) 1月17日、午後から行う。お寺には木の玉でこしらえた長く大きな輪の数珠がある。 その日は年寄り、子供がお寺の本堂で輪になり「なむあみだ」をとなえながらその数珠を回す。 大きな玉が来たときはその玉をいただく。すんだ後で、茶会話をする。
お日待ち (おひまち) 1月17日夜、お寺にみんなが、大根、いも、野菜、お米5合を持っていってごちそうし夜食を食べ、 朝日が出るまで話し合う。朝、日待ち札をお寺からいただいて帰る。 このお日待札は「あぶらおんせんそわか」と唱えながら畑にたてると害虫がこないと言われている。
お大師講 (おだいしこう) 1月20日(毎月20日の夜)15軒くらいが組になり、各家を順番に米3合を持ち寄り、 お大師さんの掛字をかけて念仏をとなえ、食事をする。(村に4組ほどあった)
ひとえ正月 (ひとえしょうがつ) 1月20日、20日正月ともいい、お宮参りをしたり、ごちそうを神さんにそなえ、灯明をあげてお祈りをする
大日さん (だいにちさん) 1月28日、牛を飼っている人がお寺に行き大日如来さまを拝み、米3合を持ち寄ってごちそうして食べる。 牛の安全をお祈りする行事。
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初午 (はつうま) 2月の一番初めの初午の日。鍋の裏を洗って雪の上にふせ、その上に大根を載せておく行事。 その年火事がおこらない、といわれている。
庚申さん (こうしんさん) ぼた餅をして重箱に12個(閏年は13個)つめて神さん(庚申さん)にお供えする。 この日、きな粉のぼたもちはするな、子供が成長しないといわれており、また、庚申さんの日に 生まれている人は働き者か、怠け者だとも言い伝えられている。
亥の子餅 (いのこもち) 2月の初めての亥の日。亥の子餅をして神さんにお供えする。 春よ早く来いとお祈りすると言われている。この日一番亥の子をしない家の子供を縛る風習もあった。 また「嫁をやったり、とったり、いの子の餅か」と、唱える。これは、村も美しく、近所も美しくの意とか。
節分 (せつぶん) 豆まきは現在でも行われているが、そのほかに、おがらの先に”じゃこ”の煎った物を差し、 これを窓や入口などに立てておく。鬼や悪い病が入らないよう、との意。
山の神さん (やまのかみさん) 春旧2月9日、秋旧10月9日の年2回。山の神講をひらいて、ごちそうし、お宮に参り安全を祈る。 この日には木に登ると落ちる。春のこの日は昼まで、秋のこの日は昼から山に行ってはならないとされていた。
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節句 (せっく) ひなまつりをし、菱餅を供える。この日子供たちは「おひなさんを見せて下され」といって各家をまわる。 各家ではあられ餅を一握りづつこどもたちにやる。
お釈迦さん (おしゃかさん) 4月8日お釈迦さんの生まれた日。この日お寺ではお釈迦さんの像を祭り、甘茶をたいて 子供達のお祭りを待っている。子供達は甘茶を飲み、お釈迦像に甘茶をかけてお祝いをする。 またこの日、竹竿の先にひなうつぎをしばりつけて庭先に立てる。 これも一軒一軒がお釈迦さんの生誕をお祝いするためである。
男の節句 (おとこのせっく) 5月5日、男の節句。前の日の夕方、しょうぶ、よもぎ、すすきを小さい束にして屋根に 何ヶ所にも放り上げ屋根ふき行事をする。 また、男の初節句の家出は、ささまきをして1連(12本)神棚に供え、また出口に吊しておく。 男の7難をのがれるといわれている。
山の口 (やまのくち) これは田植え前の田に草を刈って入れる。村の人たちが一斉にこれを行っても良いとされていた。
代満休み (しろみてやすみ) 田植えが終わった後、村中が一斉に4,5日休み、年子や田植えのお手伝いさんを呼んでごちそうをする。 そのほかに端境休み、願い休みなどがあり、その日は村中が一斉に休みとした。
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愛宕さんのまんど (あたごさんのまんど) 6月14日、愛宕神社祭り。この日の夕方、子供達は東横、横尾に分かれて愛宕さんのまんどを行う。 それは藁のつつをこしらえ、火をつけて「あたごさんのまんど、まんど」と大声で叫びながら走り回ったり、 稲木の上にそれをくくりつけてお祝いをする。
盆行事 (ぼんぎょうじ) 7月13日、宵盆。村中の要所要所で藁で迎え火をたき、念仏鐘をたたいて先祖の霊を迎える。 (これは今でも一部の人が行っている) 16日、仏送り。今でも行われてはいるが、16日の朝、だんごや花や盆の供え物を川に持っていって流し仏さまを送る。
湯村休み (ゆむらやすみ) 7月10日(旧盆であった)この日は湯村市が開かれ、この盆市に村中が盆の用品,特に家内中の盆げたを買いに出た。
施餓鬼 (せがき) 盆の17日。餓鬼道(地獄)に落ちた者を救う意味でお寺で施餓鬼供養をする。 むかしは、ほかの寺のお坊さんも来て供養をし、村中の人がお参りをし、にぎやかであった。 またその日は、寺の内外に霊札を吊り下げ、一斉に村人はそれをとり、この札を畑に立てて害虫駆除のまじないとした。
地蔵盆 (じぞうぼん) 7月24日、地蔵盆で女子青年団の人がだんごをして、城ヶ山のお地蔵さんにお参りをした。 子供達はそのお団子をもらうのが楽しみであった。夜は地蔵盆踊りが盛大に行われた。
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氏神祭り (うじがみまつり) 10月5日、氏神さんの命日。村祭り、毎年祭りの夜、村芝居が行われた。 お客さんたちがお祝い(”はな”と言う)を出すと 「とうざい、とうざい、ただいま、下さいました、おはな、春来○○さまのお客 ○○村○○様より 金一封おかし下さり有り難うございました。高座よりあつくお礼申し上げます」と口上を行った。
冬至 (とうじ) 12月冬至の日、小豆がゆを炊いて神さんにお供えする。 また、米を少し食べて小豆を供えたり、粟、ヒエを供える。
大師さんの日 (だいしさんのひ) 12月23日、この日子供達は袋を下げて各家に行き「大師の大師の勧進」と、となえて、 きびだんごやお米をもらって歩く。またこの日、各家では大師箸と言って、ちちゃ木を切り 4つ割にした箸で煮え立った飯をつき、それを仏さんにお供えをする。
正月餅 (しょうがつもち) 12月末に正月餅をつくが、つき終わると「千石、万石やれめでたい」と言いながら杵で臼をたたいて終わる。
あまだ餅 (あまだもち) 正月餅をつく時、大きな餅をつき、これを紙に包み、それにくし柿、やずり葉をそえて、細なわで くくり天井裏に吊しておき、6月1日にこれを切って落とす。数が多く割れた方がよいとされる。
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年桶 (としおけ) 正月行事として桶の中に俵餅12、みかん、蔵の鍵、くしがき、お金などを入れ、 上下にさんだわらを付けてから,しめ縄を張って床の間に飾る。 (現在でも一部の家で行われているが、多くの家では三宝ですませている。)
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