38・じろん坊たろん坊
京都の天満宮の奥に、じろん坊がまつってある。
京都のあたご山のあたご神社に、たろん坊がまつってある。
両方とも火の神様。
ここらへんでは、正福寺の天神さん。あたごさん。
火祭には、火の神様をおむかえして火祭する。
湯村の火祭は、とうち棒に火をつけて、川をかこんで、とうち棒を回す。
川の真中では、大きな火の玉を回す。
回しながら、
「じろん坊、たろん坊、麦の中の黒んぼ」
と、いう。
”麦の中の黒んぼ”とは、麦の中にできる黒い穂、つまり病気の麦穂のことで、火祭で黒んぼを退治する。
とうち棒は、昔は、2メートルぐらいある麻を荒場でゆがいて皮をむく。
その麻がらに火をつけて回していた。
今は麻を作らなくなったので、木で作った、とうち棒となった
※参考文献
喜尚晃子 「但馬・温泉町の民話と伝説」1984年より
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