福島一玉
 | 町指定「「草庵囲碁像」
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毛彫流の名彫刻師
福 島 一 玉
明治2年(1869)~大正10年(1921)
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福島一玉(老之助、号「如雲」)は、明治2年(1869)新温泉町湯に生まれた。一玉
が彫刻を始めたのは、明治20年(1887)頃、東京に出て学んだと言われているが、その師の名前も期間も詳しくはわかっていない。鳥取県の智頭から嫁いだ妻しずとの間に一男四女を設けたが、いずれも早く亡くし、大正7年(1918)にはしずも亡くなった。独りになった一玉は、心の傷を癒すために彫刻活動に没頭し、大正8年(1919)からの二年間が一玉の最盛期だったといわれ、一玉の創作活動期間は短く、余り作品が残っていない。
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 | 町指定「「草庵囲碁像」
| 一玉の作品は、どれも50cm以下の小品が多く、細かい彫りのタッチで驚くほど時間をかけて、作品を仕上げている。町指定文化財に指定されている「草庵囲碁像」は、高さ41cmで、堅い木の根を素材にして精密に仕上げ、一玉の作風を顕著に伝える秀作である。これほどの作品を作り上げながら、世間の評価は冷たかった。一玉の作品が評価され出したのは、大正10年(1921)52歳で亡くなって以後のことである。
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