巌山権現
飯野と塩山では8月24日に地蔵盆の祭りが行われる。
但馬では極めて珍しい伝統的な神仏習合の形式を今に伝えている。
巌山地蔵大権現の祭りであり、お宮は巌山神社で山の中腹に祀られている。
寺は歴史が古く、伝わる話では清和天皇(859~867)の皇子が病にかかり寺が七日間の祈願をしてなおり、救世地蔵大権現の名をもらったという。
神社側の資料では貞観3年(863)に大山祇命を祀って巌山大権現として創立されたとある。
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明治元年廃仏毀釈令が出た時点で神仏習合の形態はとれなくなったにもかかわらず、ここにはその形態を今なお残し神宮、僧侶で祀祭している。
祭りは前日に宮司がこもり堂で一夜明かすことから始まり、朝は子供会樽御輿の巡行で山伏と御輿が各戸を巡る。
ここでも神仏一体化が見られる。
昼から護摩供養、湯立て、そして呼び物の奉納相撲と続く。
神酒が出たり、十歳までの子供に赤いハチマキと腹当てをつけ、力士に抱き上げてもらいシコを踏むと丈夫に育つという習わしがある。
夜は盆踊りで祭りを締めくくるのである。
昭和56年9月1日 町無形民俗文化財・飯野、塩山区・新温泉町飯野
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