新温泉町
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山陰海岸ジオパーク国際学術会議「湯村会議」

ジオパーク活動のアジアにおける拠点をめざすとともに、山陰海岸ジオパークを国内外にアピールするため、11月23日、山陰海岸ジオパーク国際学術会議「湯村会議」が夢ホールで開催され、国内外のジオパーク活動の関係者や各方面の研究者、町民など約200人が参加しました。
昨年の「城崎会議」に引き続き、兵庫県、兵庫県立大学、山陰海岸ジオパーク推進協議会と開催自治体の新温泉町で構成した実行委員会によるもので、今回は「ジオパークを活用した教育と学習」をテーマに、同時通訳による基調講演や研究報告、総合討論などが行われ、教育や学習を通じての活動の推進や地域活性化ついて議論が交わされました。
また、翌24日には、湯村温泉、山陰海岸ジオパーク館、味原小径、浜坂先人記念館などの現地見学会が行われました。 

■基調講演
「ジオパークを用いた環境教育と自然史教育」
JGC委員 東京学芸大学 小泉武栄さん

学校教育における自然教育はきわめて貧弱。小中学校では初歩的なものを学習するが、断片的で体系的なものになっていない。高校でも地学の履修者が1割を下回っている。また、環境教育では、地球環境問題が中心で、温暖化や砂漠化などのマイナス面が多い。
ジオパークに関する教育では、地球史、素晴らしい自然景観、動植物の分布などの自然の理解が進み大変好評。青少年は、「地球は病気だ」という環境教育の悪影響を受けて、生きる力や元気をなくしている。青少年の教育を良いものにするため、小学校から大学までの教育課程に、ジオパーク教育を積極的に取り入れることを提案したい。


「日本のジオパークにおける教育活動の現状」
JGC事務局 産業技術総合研究所 渡辺真人さん
 
伝説・民話・伝承などが、環境教育や防災教育を担っていたが、現在の地域社会では、語り伝える力が弱っている。その代わりに科学が発達しており、それを補う力がある。ただ、地球科学の教育は十分でなく、全国統一の教育では地域のことが十分に扱えない。そこで、ジオパーク
がそれらを担っていけるのではないかと考える。
大人や子どもが地域のことを学ぼうとする地域学的な取組は、ジオパークに認定された地域ではどこでも行う。各地域で行っている科学教育、高校生がジオパーク活動に参加し自ら学ぶことによる達成感やモチベーション向上などの教育効果がある。これら地域における総合的な教
育の場として、ジオパークはさらに活用が期待される。


「世界のジオパークの進捗状況の評価 賢明かつ持続可能な包括的成長への貢献」
ギリシャ(レスボス島ジオパーク) エーゲ大学 ニコラス・ゾウロスさん
 
科学的に得られる知識を一般社会にグローバルなスケールで伝えていくことが大切なポイント。それには、コミュニケーションやプレゼンテーションが重要。可視化も大切で、記念碑がさまざまなジオパークに設置されている。
ジオパークは包括的な成長を目指して活動しなければならない。博物館やビジターセンター、レンジャー、教育活動、文化的なイベントの中で新規雇用創生ができ、旅行会社、ホテル、レストランなど地元の経済にとって重要な要素となっている。
また、国際的なマスメディアの注目を浴びるようになっているので、各種のイベントを計画し、ジャーナリストの注目を引くということが必要。それによって訪問者を増やすことができる。


「韓国済州島ジオパークにおける効果的なマネジメント」
韓国(済州島ジオパーク) 江原国立大学 ウ・ギョンシクさん
 
ジオサイトの保護にはいくつかの方法があるが、済州島では法律により厳格に保護されている。
ジオツーリズムには、個人や家族、団体などがあり、それぞれの教育プログラムが必要。看板はコンセプトが必要で、一瞬で目を引き、分かりやすいものでなければならない。
社会経済的な発展の観点では、済州島のトレッキングのプログラムを地元の人が考え、50万人が、このためだけに訪れている。また、各サイトの人々が、特産品の生産から販売までを手がけており、この活動によりビジターの数や地元の収入が増加した。
サイトの長期的な保全のためには、インフラ、ビジター、環境負荷などについてモニタリングすることも必要である。

■研究報告
山陰海岸ジオパーク内外の関係者や地元高校生など8名から研究事例が報告されました。
町内からは、浜坂高等学校3年の池田真志さんが「新温泉町の景観維持に取り組む浜坂高校生の活動について」と題して報告。池田さんは、浜坂高校が地域と連携して行っているサンビーチクリーン作戦やバイカモ公園の保全活動を例に挙げ、山陰海岸ジオパークの景観を守っていくことが地元に住んでいる私たちの責務であると英語で訴えました。

■ポスターセッション
会場内には、高校や大学、国内のジオパークから活動事例や研究結果がポスターで展示され、発表者がポスターの前に立ち、参加者に活動内容などの説明を行っていました。

■総合討論
「教育・学習を通じたジオパークの展望」をテーマに、JGC委員や大学教授がパネリストとなり、議論を交わしました。
討論の中では、行政において地域振興のセクションが担当していることによる教育現場との連携の課題や、理科教育だけでなく人々の暮らしや歴史などの学習に広げていくことの必要性などについて意見が交わされました。また、参加者から教育現場における教材のあり方について質問があるなど、活発な議論が交わされました。


お問い合わせ
商工観光課|新温泉町役場本庁舎
〒669-6792 兵庫県美方郡新温泉町浜坂2673-1
0796-82-5625    0796-82-3054    メール
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