木造毘沙門天立像
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| 新温泉町高山の美気津神社は、弘仁10年(819年)の創建といわれ、当初は歌長神社の分社として祀っていたと伝えられています。
高山美気津神社観音堂の本尊は、「木造十一面観音菩薩立像」で、古くは清富相応峰寺の「木造十一面観音菩薩立像(平安時代前期)」、桧尾春日神社「木造十一面観音菩薩立像(平安時代前期)」と同じカヤの一木から作られたという伝承が残っています。現在の高山美気津神社観音堂の本尊「木造十一面観音菩薩立像」は、その様相から江戸時代の作と思われ、それ以前の本尊については不明です。
美気津神社観音堂の「木造毘沙門天立像」は、台座を含めた総高約125cmで、本尊に向かって左の脇侍として安置されており、平安時代後期の天台宗や真言宗の寺院に多く見られる観音像を本尊とし、その左右に不動明王像と毘沙門天像を脇侍に置く三尊構成です。また、兜を被り体部に革鎧を着け、左足で軽く邪気を踏んでいる像容、顔の表情や体部の的確な肉付き等の作風から平安時代後期(12世紀)の作と思われます。両手先、持物、光背、全体の彩色等は後補と思われます。
高山美気津神社観音堂の「木造毘沙門天立像」は、清富相応峰寺の「木造十一面観音菩薩立像」、湯正福寺の「木造不動明王立像」と同じ、新温泉町における平安仏教文化を知る数少ない仏像の一つです。 |
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| <名 称> 木造毘沙門天立像
<員 数> 1 躯
<種 別> 彫 刻
<指定番号> 新温指文第 2 号
<指定年月日> 平成20年10月28日
<所 在 地> 兵庫県美方郡新温泉町歌長2233 美気津神社 観音堂内
<所 有 者> 兵庫県美方郡新温泉町歌長2039 高山区 |
 光背
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 頭部
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 腹部
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 邪気
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