塩山撞木塔婆歌念仏
仏教行事の一つで「六斎念仏」に属するものです。
起源については、確固たる史料も文献も無いわけですが、おそらく民俗念仏として徳川時代に行われたであると考えられます。
そしてこれが当時の農村生活にただ純粋な宗教的行事というだけでなく、レクリェーション的色彩があったことを見逃すわけにはいきません。
行事は現在(H20)では、8月7日から8月25日まで行われていますが、昔は旧暦5月23日の巌山のこもりから7月25日の観音じまいまで連続して行われていました。
こもり行事には五穀豊穣を祈り、5月の農作業の慰安を兼ねて若人が村芝居をし氏神様にこもっていました。次の夜からは念仏通夜で念仏を唱えていました。
観音じまい行事には塔姿が建てられ(7寸角、5m60cm)堂に安置した観音の前で曲り木で作った撞木で念仏鐘をたたき、御詠歌、光明真言、光明文念仏、結願文念仏を一連のものとし、観音堂→撞木塔婆前→観音堂と行って終了します。
今日、形骸をとどめなくなったこの六斎念仏の行事がここに見られるのは、民俗学研究にとって、また歴史上稀有の資料となっていることは間違いないものです。
|
 | (平成20年)
| 昭和52年12月20日 町無形民俗文化財・塩山撞木塔婆・新温泉町塩山(吹上神社境内)
|
|