新温泉町
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こちら町長室(広報しんおんせん令和4年11月号掲載)

◆JR利用と今後
 今年4月、JR西日本は浜坂ー鳥取間が約8億5千万円、浜坂ー城崎温泉間が約11億8千万円の赤字だと公表しました。
 それを受けて、但馬3市2町と県民局、そしてJR西日本と今度の在り方について議論を進めています。

◆赤字の主因
 赤字となったきっかけの一つに、昭和61年12月28日に、余部鉄橋を通過中の列車が強風によって民家の上に落下し、死亡者を出した大きな事故があります。事故後、列車の停止基準の見直しもあり、台風や冬の強い北風が出る度に列車が止まるなど、安定した列車運行に大きな壁になりました。
 そうしているうちに、平成6年12月、鳥取から智頭を通り姫路に通じる「スーパーはくと」が走るようになりました。かつては大阪や東京に出かける時は、必ず山陰本線を利用していたのが、「スーパーはくと」の出現で列車利用の流れが大きく変わりました。京阪神に早く到着する「スーパーはくと」は好調を維持し便数も順調に増えていきました。その一方で「特急はまかぜ」は利用、便数とも減り始めました。
 大きくなった赤字の原因として、人口減少や道路交通の充実も起因していますが、「スーパーはくと」の出現が大きく影響しています。

◆利用促進
 列車の利用客を増やすには、通学・通勤・通院など地元客の利用促進と、年間約100万人の観光客の利用促進があります。
 地元客の利用促進策としては、半額補助などの補助制度、駐車場の整備、トイレなど駅の美化整備、高齢者や障がい者が利用しやすいバリアフリー化、にぎやかな駅前の活性化策としてコンビニなどの誘致、鉄子の部屋の復活、駅の名前に愛称、ICカードの導入、駅を利用したイベント実施、婚活などの列車利用、JRを利用した旅の企画など列車の楽しさをPRしなければなりません。
 地元客の利用は人口減少もあり限界があります。その点、観光客を自家用車から列車利用への変換促進策の導入には大きな成果が期待できます。

◆他市町との連携を
 さらに、町の単独事業とともに、但馬や鳥取市、岩美町などとも共同して取り組まなければなりません。

◆国の関与は
 利用促進の努力はしなければなりませんが、現状からすると、どんなに地域が力を入れても赤字解消は困難であり、赤字でも維持が必要な鉄道もあります。
 JR西日本は民間企業ですが、鉄道の維持は地域だけの問題でなく、国の問題でもあります。国は公共交通をどのように位置付け、鉄道や自動車道路、飛行機などのバランスをどのように取っていくか、地域が納得する舵取りをすることが求められています。


新温泉町長 西村銀三

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